【花粉症治療 体験談】減感作療法(注射)費用や効果など

花粉症の最新治療であり、唯一根治可能な治療法である減感作療法の皮下接種(注射)を2018年夏から開始しました。

半年後の2019年の花粉の季節には、既に花粉症の症状は軽減、翌年2020年の花粉の季節から花粉症の症状はほとんど出なくなりました。
治療開始1年半以上が経過、現在もスギ(花粉症)とダニ(喘息)の注射を2ヶ月に1回程度続けています。

 

減感作療法の皮下接種(注射)について、私が体験した治療スケジュールや保険適用費用などを詳しくご紹介します。

 

 

 

ほぼ同時に同じ治療を開始した娘のアトピーもかなり改善しました!
(現在はステロイド軟こうをほぼ塗らず、保湿でキープしています)

娘の治療日記はこちらの記事からどうぞ。

 

 

 

 

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アレルギー既往歴

私は子どもの頃から肌が弱く、成人すると鼻炎や花粉症を発症、いわゆるアレルギー体質です。毎年1月になると花粉の季節に備え、耳鼻科で大量の花粉症の薬を処方されてきました。

服用していた薬は「アレジオン」と「セレスタミン」、目薬や鼻のスプレー。
セレスタミンは花粉症の症状に効くものの眠くなるので、常用するのは難しかったです。

そんな中、突然夜中に咳込むようになり、眠れない日々が続きました。なかなか診断がつかず、4軒目に受診した内科で「アトピー咳嗽」と診断、ステロイド吸入薬が処方されました。

これをきっかけに、喘息に移行する前に根本的なアレルギー体質を改善したいと思うようになりました。

 

 

 

 

減感作療法とは?

内科で勧められたのが「減感作療法(免疫療法)」です。
娘が幼い頃からアトピーで苦しんできたので、この手の免疫療法にはものすごく敏感な私。

胡散臭い!!笑

しかし、色々調べると以前からアレルギー症状を和らげる治療法として用いられていることが分かりました。

花粉症は、スギなどの花粉に反応して症状があらわれます。
治療方法は、体内にアレルギー物質(スギエキス)を入れて、徐々に体を慣らしていくというもの。
食物アレルギーの治療同様、最初は少量のアレルゲンである食物を食べ、徐々に免疫をつける治療法です。

 

減感作療法は、花粉症が根治する唯一の治療法といわれています。

 

当時の私は喘息の予防で受診したものの、花粉症も軽減するのなら一石二鳥と減感作療法を検討し始めました。

 

 

減感作療法のメリットとデメリット

<メリット>

  • 効果が持続する
  • 治癒(根治)の可能性がある
  • 全身副作用は滅多にない

 

<デメリット>

  • 効果の発現は遅い
  • 3年以上続ける必要がある

 

 

 

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減感作療法の種類

減感作療法には2種類あります。

注射を数日おきに行う皮下免疫療法舌下に薬液や錠剤を毎日保持する舌下免疫療法
前者は通院が必要、後者は自宅でできます。

どちらも治療には3年以上の長期間かかるのがネック。

 

 

 

皮下免疫療法(注射)

最初は週1-2回通院して接種。接種の度に薬剤の濃度を上げていく。

維持量に達したところで、通院頻度は週1回→2週1回→最終的には月1回と間隔が空くようになる。
そこから3年以上の継続が必要。

副作用: 注射部位のかゆみや腫れが時々、まれに喘息発作様の全身症状

※維持量に達した時点で全治療の70%ほどが終了したと言われています。

 

 

 

舌下免疫療法

舌下に薬剤を1分間保持、その後飲み込む、毎日3年以上継続する必要がある。
自宅でできるので、通院が難しい場合でも治療可能。

副作用: 口内のかゆみや腫れが時々、まれに喘息発作様の全身症状

 

 

 

 

注射と舌下のメリットとデメリット

皮下免疫療法(注射)

<メリット>

  • 維持量(投与開始後4-5ヶ月※)に達したら70%ほどの治療が終了
    ※投与の頻度による

 

<デメリット>

  • 両腕に注射をするので痛い
  • 通院が面倒

 

 

舌下免疫療法

<メリット>

  • 自宅でできる、通院不要

 

<デメリット>

  • 3年以上毎日薬を飲まなくてはいけない
    (舌の下に薬剤を1分保持して飲み込む)

 

2種類の効果は同等です。

 

 

 

 

減感作療法を決断した理由

実は減感作療法を勧められてすぐに治療を始めたわけではありません。
咳が治まり、体調が良くなってから始めた方が良いという医師の助言もあり、半年ほど経過してから減感作療法を開始しました。

決断した理由は、なんといっても唯一「根治する」治療法ということが決め手でした。

私なりにネットで調べたり、医師が出版している著書を読み、諸々納得した上で治療を始めました。

 

余談ですが、朝クリニックへ行くと待合室に20人ほど患者さんがいます。大半が減感作療法の注射待ち。看護師に呼ばれ、どんどん注射を打たれ、出勤して行く光景。
私は通院の度にこの光景を見てきたので、減感作療法をしている方がいかに多いかと理解し、私の背中を押した形となりました。

さらに余談ですが、私がお世話になっている美容師さんがなんと6年も前にこの減感作療法を終えていたのです。しかも同じクリニックで!!

その方はひどい花粉症で、花粉の季節は仕事にならないほどだったそう。
週2で1年ほど、月1で1年ほどの計2年間こちらのクリニックで治療。最初の1年で花粉症の症状は軽減され、2年後には全く発症しなくなり、6年たった今でも花粉症の症状が出ることはないと。
身近に経験者がいただなんて!しかも同じクリニックで治療した方なので安心感と期待感がハンパなかったです(笑)

 

 

 

 

皮下免疫療法(注射)を選択した理由

舌下は自宅でできるのが魅力的ですが、3年間毎日続けられるか不安があり、皮下免疫療法(注射)を選択しました。

維持量に達するまでの週1-2回ならなんとか通院できること、維持量に達した時点で治療の70%が終わっていることが決め手でした。
クリニックでの注射は、受付から終了まで10分程度であること、通院できないときは週1でも良い、間が空いてしまっても大丈夫ということも大きかったです。

また、万が一アレルギー反応が起きた場合、クリニックの方が安心できるということも理由の一つです。

 

 

皮下免疫療法(注射)の補足事項
  • 7回投与ごとに薬剤の濃度が上がるタイミングで、副反応が起きないか接種後15分程度クリニックで待機して、看護師のチェック後帰宅できる。
  • 接種後、特に体調の変化はない。普段通りに過ごしてOK。
  • 大半の人は1年ほどで花粉症や喘息の症状が軽くなり、2年で症状が出なくなる。
    症状が出なくなってから、さらに2-3年接種を続けるのがベスト。
    実際は、症状が出なくなると通院をやめてしまう人が大半。

 

 

 

息子が2021年より舌下免疫療法を開始しました。

 

 

 

減感作療法 皮下免疫療法(注射)の費用

現在保険適用されるのは、スギとダニのみです。
(他のアレルゲンについては自費治療となります)

気になる費用は、1回600円程度(投与量によります。月始めは1200円程度)

 

詳しいスケジュールを後述していますが、接種回数は人によって異なります。
私の例で大よその費用を算出してみました。

 

最初は週1-2回の接種が必要→ 月8回接種するとして5,500円

維持量に達するまでに約7ヶ月(人によります)

  1.  月8回接種(5,500円)を7ヶ月間 38,500円
  2.  2週間に1回接種を2ヶ月間 7,200円
  3.  月1回接種を3ヶ月間 3,600円
  4.  月1回接種を2年間 28,800円

 

 

1.+2.+3. 最初の1年間の治療費用は、49,300円

4. その後2年間、28,800円
3年間治療した場合、「78,100円」ということになります。

 

 

最初の1年間は費用負担が大きいですが、実は娘もこの治療をしたので、医療費の確定申告をして、還付金を受けることができました。

花粉症が根治するのであればこの金額は決して高いものではないと思います。

 

 

 

 

注射の維持量に達する目安

維持量に達するまでは週1-2回通院する必要があり、一番大変なときです。
そして、維持量に達する時期というのは人それぞれ違います。

維持量に達したと判断する目安は、接種後の腫れや赤みが5cm程度になったとき。
(この時点で70%の治療が完了したと思ってよい)

開始直後の接種では何の変化はありませんが、薬剤の濃度が上がっていくと、腫れや赤み(痒み)が出てきます。

最初の頃は「維持量に達したことが分かるのだろうか?」と疑問に思っていましたし、少し腫れると「これは維持量?」と疑うこともありました。
最終的に維持量に達すると明らかに赤く大きく腫れるので自覚します。

では、どのぐらいで維持量に達するのでしょうか?

 

 

 

 

投与量や回数はクリニックによって様々

維持量に達する回数は人それぞれ違うので回数や期間を断定することはできませんが、一般的にエキスを100倍に薄めた頃、接種開始後半年程度で達する人が多いです。

後述しますが、私は7ヶ月、娘は6ヶ月で維持量に達しました。

 

私が通っているクリニックでは、7回投与を1セットとし、濃度を上げていきます。
順調に接種した場合、スギの100倍は6クール目となりますので、7回X6クールとすると
42回の接種が必要となります。
週2回の通院で、42回接種を受けるとなると5-6ヶ月かかることになります。
1クール=1ヶ月と考えても良いかもしれません。

 

ただし、接種の期間が空いた場合は一旦濃度や投与量を落とすので、このスケジュールの限りではありません。

最初は1,000,000倍の濃度からスタートするので、かなり先の話となります。

 

 

他院の治療スケジュールを調べてみました!
他院では、いきなり0.05mlからスタートして、最大0.5mlまで7回投与を1セットとして、
4クールで濃度を上げていきます。そして、5クール目は同じ用量を投与します。

 

私が通うクリニックでは、0.015mlからスタートし、最大0.15mlなので、極低用量から始めて最大用量も少ないことが分かります。濃度の上げ幅は10倍と同じですが、他院はかなり高濃度であることことが分かります。

主治医いわく、医師の経験で一番効果が上がり、安全なやり方で行っていると説明を受けたので医師のやり方に従うしかありません。

 

 

投与回数や用量はクリニック(医師)によって違いますので、受診される際に確認すると大よその回数が把握できると思います。

 

 

 

 

減感作療法 開始前

血液検査とプリックテストを行う。

 

 

血液検査

ダニとスギがランク2(数値は予想よりも低かった)

 

 

 

プリックテスト

ダニとスギエキスをそれぞれ1000、10000、100000倍に薄めたものを腕に注入。

みるみるうちに蚊に刺されたように腫れる、痒い!
15分放置(かなり痒くなる)
1000倍のダニは10円玉ほど腫れる

 

 

 

 

減感作療法スタート 1クール

()内は投与の量mlです。
投与量はクリニックによって違いますのでご参考まで。

 

・2018/8/31 1回目の注射(0.015)
左腕にダニ、右腕にスギエキスを注射。
特に何の反応もない。
注射跡が少しアザのように残るが気にならない程度(内出血は体質による)

 

・2018/9/11 2回目の注射(0.025)
既に10日も空いてしまった。
「時間が許すようなら濃度が上がるまで週2回来てね」と看護師に言われる。

 

・2018/9/18 3回目の注射(0.035)
週2で行くつもりが、雨で断念。
治療は長い道のりなので、自分に無理ないペースで行うと決めている。
目標は、最低週1回、行かれるときは週2回。

 

・2018/9/25 4回目の注射(0.05)
右腕のスギの注射が痛い。
調べるとスギエキスにはグリセリンが入っているので痛みを伴うそう。
ダニの方は何ともない。

 

・2018/9/29 0.075
・2018/10/2 0.10
・2018/10/6 0.15
次は濃度が上がるタイミング、接種後15分様子を見るので、時間に余裕を持ってくるよう言われる。

 

 

 

 

2クールから維持量に達するまで

1クール遅れて、アレルギー体質(アトピー)の高校生の娘も減感作療法を始め、なんと私より先に娘の方が維持量に達するというエピソードがありました。

 

 

2クール

ダニ100000倍、スギ1000000倍

一段階濃度が濃くなり、極少量からスタート
初回は接種後15分間クリニックに残り、看護師のチェックを受けてから帰宅する

10/09 0.015
10/13 0.025
10/16 0.035
10/20 0.05
10/23 0.075
10/30 0.10(インフルエンザ予防接種と重なる為、1週間空く)
11/06 0.15

 

 

 

3クール

ダニ10000倍、スギ100000倍

週2回通っても1クール終えるのに1ヶ月かかる・・・
接種時の痛みには大分慣れる。
1クール中2回ほどとても痛い(接種後1時間ほど痛みが続く)

11/10 0.015
11/14 0.025
11/20 0.035
11/24 0.05
11/26 0.075
12/01 0.10
12/05 0.15

 

 

 

4クール

ダニ1000倍、スギ10000倍

私は平日1回と土曜日に通院しているが、土曜日はさすがに減感作療法の患者がひっきりなしに来るので混み合う。

12/08 0.015
12/12 0.025
12/15 0.035
12/18 0.05
12/22 0.075
12/28 0.10
01/07 0.15

年末年始で10日も空いてしまい、年明け久しぶりの接種。
インフルのように接種すると少し腫れた感じがある。この日直径3cmぐらい腫れていたので、一応写真撮影をしておく。次回通院時に看護師に要確認。

 

 

 

5クール

ダニ100倍、スギ1000倍

前回の腫れは維持量に達した腫れではなかった。
濃度が上がって、用量が多いときは腫れる頻度が多くなると言われる。

1/12 0.015
1/15 0.025
1/19 0.035
1/22 0.05
1/26 0.075
1/29 0.10
2/01 0.15

 

 

 

6クール

ダニ10倍、スギ100倍

5クールの後半から接種後に少しかゆみを感じるようになる。
無意識に腕を掻いているときがあった。

2/04 0.015
2/12 0.025
2/20 0.035
2/26 0.05
3/02 0.075
3/05 0.10
3/09 0.15

初回接種15分後、自分では腫れている感じはなかったが看護師にチェックしてもらうとスギの方に少々の腫れと赤みがあった。ダニの方も少し赤みがある。念の為医師に診てもらうと「1週間後にもう1回打ってみて」と言われる。
(週2回で通院しているので、週1回と聞くだけで嬉しくなる)

その後、腫れ疑惑は2回ほどあったが、順調に濃度を上げて6クール目終了。
そんな中、娘はダニ100倍(5クール)で先に維持量に達する!

そして、花粉の季節到来。
花粉症の症状は、目が少々痒い(目薬不要レベル)程度のみ!
早速効果が現れた♪

 

 

 

 

7クール(維持量に達しました♪)

ダニ1倍、スギ10倍

ついにここまできました! 最終段階です(原液です)
初回腫れません・・・涙
もしや私はアレルギー体質ではないのか???笑

3/12 0.015
3/16 0.025
3/19 0.035
3/22 0.05 ←維持量に達する♪

 

4回目の接種後、買い物をしているとスギの方が痒くてたまらない。
この日はクリニック近くにいたため、再度クリニックに戻り看護師に診てもらうと「維持量に達したね」と即答。その後医師に診てもらうと「終わりでいいね。ダニは原液だからもう終わりでいいよ」と。やったー♪

 

 

<私の維持量>
ダニ(原液)・スギ(10倍) 共に0.025ml

 

 

今後は、上記の維持量で、10日間に1回接種することになった(めっちゃ嬉しい♪)
花粉の季節が終わる6月からは月1回接種で良いとのこと!!

ここまで長かったような気もしますが、通院はもはやルーティンになっていたのでさほど負担に感じることもなく続けることができました。

 

 

 

 

減感作療法 開始1年後

減感作療法を始めて1年が経過しました。

2018年9月から1週間に1-2回注射を始めて7ヶ月後の2019年3月に維持量に達しました。
4-5月は2週間に1回接種、7月から現在まで月1回の接種を続けています。

 

 

 

2019年花粉の季節

減感作療法を開始して半年後の花粉の季節は、少し目が痒い、少し鼻水が出る程度。
薬を飲むレベルではありません。半年で効果を感じました♪
周りが花粉症で苦しんでいるときに涼しい顔で過ごせました(笑)

 

 

 

2020年花粉の季節

減感作療法を始めて1年半が経過しました。
引き続き月1回ペースで注射をしています。

治療開始後2回目の花粉の季節、花粉症の症状はほとんどなく、ほんの少し目が痒い程度です。
コロナの関係でマスクをしていますが・・・マスクも不要なレベルです。

 

 

 

2021年花粉の季節

減感作療法を始めて2年半が経過しました。

今年は花粉が大量に飛散していたせいか、目が痒かった・・・
くしゃみが出ることもありましたが、薬を飲むほどではありません。

薬やマスクは不要なレベルではありますが(コロナのためマスクを着用していましたが)
花粉症の症状をわずかに感じました。

 

 

 

終わりに

花粉症治療、喘息予防のために始めた減感作療法(注射)を開始して1年半が経過しました。

開始して半年後に花粉症は軽減、1年半後の症状はほとんどありません。
減感作療法は、私には効果があったということになります。

医師いわく、減感作療法をした約80%の人には効果が出るが、残念ながら10-20%の人には効果を感じられないとのこと。

減感作療法の有効率は、皮下(注射)では約80%、舌下では約70%とほぼ同等の効果があります。

私は医者ではありません。
減感作療法を受けている患者で、自分の経験談と主治医の話からこの記事を書いています。

スギの減感作療法は花粉飛散期には始められません。
次の花粉の季節に向けて、夏頃から開始するのが一番良いタイミングです。

減感作療法を検討される方は、信頼できる医師(クリニック)探しから始めてください。
また治療には長い時間がかかりますし、100%効果が得られる保証はありませんので、ご自身で納得した上で判断されることをおすすめします。

これから減感作療法を検討する方のお役に立てたら幸いです。

 

 

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