高校生の息子が喘息予防、治療のために舌下免疫療法を開始しました。
息子は小さい頃から喘息の気があり、風邪を引くと咳が長引いたり、胸がゼーゼーすると吸入をしていました。
主治医からは、大人になるにつれ、喘息が悪化するかも!と言われていたので心配していました。
舌下免疫療法は、自宅で治療することができます。
最近は花粉症治療のために舌下免疫療法を行う人が増えてきています。
息子が舌下免疫療法を行うに至った経緯、舌下免疫療法の方法や費用をご紹介します。
花粉症治療のために「皮下」免疫療法を行った私の体験談はこちらです。
現在花粉症の症状はほぼ出なくなりました。
生後まもなくからアトピー性皮膚炎を発症した娘も皮下(注射)免疫療法を行い、アトピーが軽減しました。
Contents
舌下免疫療法に決めた理由
元々アレルギー体質で、2020年冬、急に酷い咳き込み、なかなか咳が収まらず、喘息と診断されました。
(時期が時期だけにコロナの疑いもあり、PCR検査もしました!笑)
冬に発作が起きた時点で、息子にも皮下(注射)免疫療法をやらせよう!と思っていましたが、高校生の息子は部活と塾で多忙なため、平日は1日しか空いていません。皮下(注射)をする場合、最初の半年は週に1-2回の通院が必要となりますので、現実的に治療をするのは難しいと判断しました。
また小学生の従弟が自宅で舌下免疫療法をしていることを知っていたので、舌下なら無理なく続けられると思ったのでした。
<皮下(注射)免疫療法とは?>
スギとダニの薬剤を低濃度から注射し、徐々に免疫を上げていく療法です(詳細は後述)
食物アレルギー同様、最初は少量ずつアレルギー物質に慣れさせ、アレルギーを克服していく治療方法。
舌下免疫療法とは?
現在使用できる薬剤は「スギとダニ」の2種類のみ。
舌下に薬剤を1分間保持、その後飲み込む、毎日3年以上継続する必要がある。
自宅でできるので、通院が難しい場合でも治療することができます。
副作用: 口内のかゆみや腫れが時々、まれに喘息発作様の全身症状
皮下免疫療法(注射)
腕に注射をします。保険適用の薬剤は、舌下と同じく「スギとダニ」の2種類。
最初は週1-2回通院して接種→接種の度に薬剤の濃度を上げていく→薬剤の維持量に達したところで、
通院頻度は週1回→2週1回→最終的には月1回と間隔が空くようになる。
維持量に達してから3年程度の継続が必要。
副作用: 注射部位のかゆみや腫れが時々、まれに喘息発作様の全身症状
※維持量に達した時点で全治療の70%ほどが終了したと言われています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
皮下(注射)と舌下 メリットとデメリット
<メリット>
- 維持量(投与開始後4-5ヶ月※)に達したら70%ほどの治療が終了
※投与の頻度による
<デメリット>
- 両腕に注射をするので痛い
- 通院が面倒
<メリット>
- 自宅で治療ができる(通院は月に1回程度)
<デメリット>
- 3年以上毎日薬を飲まなくてはいけない
(舌の下に薬剤を1分保持して飲み込む)
2種類の効果は同等です。
アレルギー検査
息子が咳き込んだ時に受診した呼吸器科(私と娘のかかりつけ医)で、舌下免疫療法をしたい旨を伝えました。
咳の症状が落ち着いてから再受診し、プリック検査をすると、息子も酷い腫れ方をしました。
(プリック検査:アレルギー物質の腕の内側に少量注入して、様子を見る)
腫れが酷いので、「舌下免疫療法をできるか分からない」と医師に言われました。
(アレルギーが強い場合、自宅での治療はリスクを伴うため)
同時に血液検査も行い、1週間後に結果を聞きに行きました。
IgE抗体は、4,000IU
一般成人の基準が170UIですので、かなり重症なアレルギー体質です。
しかしながら、娘は7,000IU超の酷いアレルギー体質でしたので、想定内です(笑)
息子はダニとハウスダストがクラス4でしたが、娘は棒グラフが振り切るほど(測定できない)でしたので、驚きません・・・
医師は、とりあえず1週間分の舌下錠剤を処方してくれました。
(処方するということは、数値的にはそこまで酷い状態ではないということだと思います)
舌下免疫療法 服用スケジュール
現在、舌下免疫療法に使用されている治療薬は以下の通りです。
・スギ花粉症(薬品名「シダキュア」)
・ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎(薬品名「アシテア」および「ミティキュア」)
息子は花粉症もあるので、両方治療したいところですが、最初から両方の治療を行うことはできません。
まずは喘息治療ということで「ミティキュア」が処方されました。
※時期をずらすと平行して治療することが可能です。
息子は次の花粉シーズン後から花粉症の治療を行いたいと思っています。
最初の1週間は3,300JAU錠を、2週目以降は10,000JAU錠を服用します。
薬剤を舌の下に1分ほど置き、唾液を飲むのを5分ほど我慢します。
※その間飲み物や食べ物を食べてはいけません。
たったこれだけです。
しかし、毎日欠かさず、3年以上は続けないといけません。
息子の場合
従弟は朝にやっていましたが、息子の場合は電車通学をしているため、舌下後に外でアレルギー反応が起きるリスクを回避するために
夜夕食後に行うことにしました。
もしアレルギー反応が起きた場合、病院が開いている時間帯でないのでこれはこれでリスクがありますが、夜は家族の誰かがいるという前提で、朝よりは夜の方が良いだろうということになりました。
初日は舌下後、舌の先に違和感(口内炎ができたような感覚)がありましたが、1時間もすると落ち着きました。
5日後、7日分の薬が切れる前に次の錠剤をもらいに行きました。
次は一気に10,000JAU錠に量が増えます。この量を年単位で長期間飲み続けます。
10,000JAU錠を開始する際には、量が一気に増えるので、かなり慎重に行いました。
最初の7日間よりもさらに舌の違和感が強かったようですが、アレルギー反応等は起きず、1週間ぐらいで慣れました。
※舌下は皮下に比べるとアレルギー反応が起きにくいです。
アレルギー反応が起きるとすれば、服用後30分以内、開始1ヶ月ということですので、最初の1ヶ月は特に気をつけて様子をみました。
薬剤の処方は4週間分ですので、薬剤が無くなる前に余裕を持って受診をしなくてはいけません。
舌下免疫療法の費用
初回: プリック検査と血液検査 6,660円
3,300JAU錠(7日分): 処方箋1,330円+薬剤700円→ 2,030円
10,000JAU錠(4週分): 処方箋1,310円+薬剤2,580円→ 3,890円
というわけで、以後「毎月3,890円」がかかることになります。
3年で140,040円、5年で233,400円となります。
結構かかるなぁ~というのが正直な感想です。
こちらはダニの金額ですので、単純比較はできませんが・・・
スギの皮下(注射)は3年で8万円弱でしたので、舌下の方が治療はかかります。期間も長いです。
しかしながら、喘息が悪化しないための治療なら仕方がない金額だと思います。
花粉症にしても、花粉シーズンごとに耳鼻科に通院したり、市販薬を購入することを考えると、少々高くても、効果があって根治するかもしれない免疫療法の方が費用効果は大きいと思います。
終わりに
治療を開始して2ヶ月が経過しました。
アレルギー反応が起きることもなく、粛々と毎日続けています。
元々酷い喘息というわけでないので、花粉症と違い効果を感じるのは難しいかもしれません。
(血液検査をして数値で見極めることは可能です)
息子の場合は、喘息を悪化させないために舌下免疫療法を開始しました。
私と娘は皮下免疫療法で効果があったので期待度は大きいです。
前述でメリットとデメリットを記載しましたが、改めて舌下を経験して感じたメリットは、なんといっても
自宅で治療を行える!!
これに尽きます。忙しい社会人でも、この方法でしたら治療を続けることができると思います。
デメリットとしては、
・1ヶ月に1回薬を処方してもらうために通院しなくていけない(3年以上長期間続ける)
・治療をしても20%の人には効果が出ない
よって、治療をしてみないと効果は分からないというところがありますが、酷いアレルギー症状に悩んでいる方は試す価値があると思います。
ちなみに花粉症の治療は、スギ花粉が飛ぶ時期には開始できません。
8月~12月が治療開始のシーズンとなります。
治療を迷っている方のお役に立てたら幸いです。
私は治療を経験しただけの素人ですので、治療前には信頼のおける医師の元で十分な説明を受けてください。
息子の治療経過については随時報告させていただきます。